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2004年 09月 20日
前半は「松原の死」。後半は「薩長同盟締結」。この二本の柱が今回の放送。そして、両方の柱ともしっかり作られていたので、非常にボリュームがある放送だった。
松原の最後のシーン。松原、未亡人お初、そして斉藤。この三人の、まったく台詞がない(台詞がないことは後になって気付いた)数分間の演技はすさまじかった。自分がこのドラマを見始めてからオダギリ・ジョーの見せ場はなかった(コミカルなネタはいくつかあったけど)様な気がするのだが、今回初めて彼の凄みを見たような気がする。 台詞がないことで、見ている側に様様な解釈を与えるシーンだと思う。その後、一応近藤に説明じみた台詞を吐かせているけれど。 自分は子母澤版「新撰組」を読んだことがないのだけど、彼の創作だといわれているらしい「壬生心中」にこういう新しい解釈を与えた点も興味深かったりする。 そして「薩長同盟」。竜馬や西郷のシーンはいままでストーリーの中で傍流で、それゆえコミカルな印象すらあった。それが、今回の木戸、西郷、竜馬のやり取りはとても見ごたえがあり。どちらかと言えば「大河っぽくない」と言われてるこのドラマの中でストレートなくらい「大河っぽ」かった。その上、この数分のシーンだけで、幕末史に弱い自分なども「薩長同盟が何か」が良くわかるようになっていたのだ。こういう脚本は、脚本家がキチンと勉強していないと書けないような気がするのだけれど。 いかにも大河的な「薩長同盟」の部分のせいで、内に篭っている新撰組に関する部分がちゃっちく見えてしまったことも確か。もし、前半部のストーリーがあんなふうにしっかりしたものでなかったら、きっと新撰組の部分が小さく見えただろうなと。 じっさい、両方のストーリーから蚊帳の外だった近藤が、今回はどうも小さく見えてしまってしょうがなかったし。
by ktysh
| 2004-09-20 03:47
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